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VISION 2 生分解性プロダクト ‒ 私たちがつくるべきものとは…

生分解性プロダクト ‒
私たちがつくるべきものとは…

話題のプラスチック問題

昨今話題になっているが、環境汚染を引き起こす要因として挙げられるものの一つにプラスチックがある。現状では、ゴミ収集車一台分のプラスチックが毎分海に捨てられているとも言われている。(参考:World Economic Forum)そして、海に流れ出たプラスチックは分解しないため、堆積、浮遊し続け、環境を汚染し、生物の身体の中に入る。アメリカ シアトルなどではいち早くこの現実と向き合い「ストローレス」運動を始めたり、自然分解やリサイクルをできない容器やカトラリーの使用を廃止したりする動きが強まっている。

シアトル発祥のスターバックスは従来のストローの使用を廃止し、リサイクル可能なプラスチックのリッドに変更し始めている。これは、世界のプラスチック廃棄量に直接影響を与えるだけでなく、個人の意識を変える大きな影響力を持っていると言える。その他あらゆる場で、海に流れ出たプラスチックを回収する運動や、プラスチックに替わる素材を開発するなど、世界中で研究がされている。

プラスチックに代わる素材

プラスチックに代わる素材の一つに紙があり、国内外で紙ストローへの注目が集まっている。一例を挙げれば、東京都の取組として、都庁内の喫茶店にて試験的にプラスチックストローを紙ストローに変えて提供するという取り組みが発表された。(参考:東京都観光局
また、生分解性のプラスチックなども開発されている。生分解性とは、化合物で、水中や土中の微生物の働きにより無機物まで分解される性質を指す。従来のプラスチックは生分解性ではないが、処分・再利用を可能にする為に、生分解性の素材でプラスチックの代替品を作ろうという動きが盛んになっている。生分解性にすることで、処理時の燃焼カロリーが減少したり、生物への危害が減り、堆肥として再利用可能になったりする。

しかし、生分解性プラスチックをきちんと分解し堆肥などとして再活用するには、条件の整った設備が必要である。その為、現状では紙と同じ様に焼却処理されることがほとんどであると言える。

向かうべき方向とは

国や企業、非営利団体など、様々な場でより良い環境を目指す取り組みがなされている中、私たちには何ができるのか考えた。

私たちは、結局「ゴミ」として焼却するのであれば意味がないと考えた。確かに、焼却処分など出来るものは、永久に残ってしまう素材に比べれば環境への負荷は小さいかもしれない。しかし、ゴミを処理する為にたくさんのエネルギーを消費し、そのプロセスは持続可能な環境とは言い難い。「ゴミ」として処理するのではなく、エネルギー消費を抑え「資源として循環させる」ことが目指すべき方向なのではないか。

現時点での私たちの構想は、究極に分解されやすく、処理する手間をほとんどかけずに土に還るものを作ること。例えば、ドイツの企業、Leaf republicが開発した「leaf plate」がある。この商品は、防水性のある葉っぱから作られた紙でできたお皿である。何層かになっており、ヤシの葉から取れる繊維を使用して縫い合わされているため、接着剤は使われていない。合成添加物や着色料、接着剤、オイルも不使用の為、コンポストで堆肥にすることができる。

私たちも、竹などの天然の素材のみを使用し、究極土に捨てればそのまま分解されるような商品をデザインしていきたいと考えている。

物を生み出すということ

これまで世の中に送り出された物の中には、再利用や分解が不可能なものがある。それらは着々と堆積し、無視できない大きな存在になって初めて、私たちは「問題」としてきちんと向き合い始めている。私たちクスクスは、それらのものをどの様に再利用できるか、どの様に「ゴミ」として放置せずに済むのか考えている。そして、今後私たちが生み出すものは、ゴミになってしまうものではなく「循環するもの」であることを大切にしている。

SDGs目標:12.つくる責任、つかう責任/14.海の豊かさを守ろう/15.陸の豊かさも守ろう

 

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